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滋賀県大津市で行政書士をしてる中島です。
さて、今回が「ストーリーとしての競争戦略」の
まとめについての最終回。
はじめての連載ものでしたけど、一応下地はつくってたんですね^^
それではいってみましょう(^-^)/
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第7章 戦略ストーリー骨法10ヵ条
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1.エンディングから考える
・エンディングから逆回しでストーリーを構想
・エンディングを固めるために、実現すべき「競争優位」と
「コンセプト」の2つをはっきりとイメージする
・実現すべき「競争優位」
a.WTPを上げるか
b.コストを下げるか
c.無競争状態に持ち込むか
・「競争優位」を決めるだけではエンディングとしては不十分
>競争優位はこちらが儲ける理屈にすぎない
・「コンセプト」
>長期利益は目標
>コンセプトは目標というより「目的」
>判断を迷ったり、行き詰ったときに、常に立ち戻ることができる何か
>ストーリーの終点であり、起点
・なぜ儲かるのか
>顧客に何らかの価値を提供するから
>「顧客が動くストーリー」をどれだけ鮮明にイメージできるか
>「誰に」「何を」「なぜ」の3つにこだわったものになっていること
・本当のところ「何を」提供するのか、それを「誰が」「なぜ」喜ぶのか
・「どのように」という方法ばかりが先行したコンセプトからは
優れた戦略ストーリーは生れない
2.「普通の人々」の本性を直視する
・誰をどのように喜ばすか、誰に嫌われるかという視点
>尖った「顧客」をターゲットにするのではなく、
「普通の人々」を念頭に置く
・コンセプトは「今そこにある価値」を捉えるものであること
>先進的なコンセプトは眉唾もの
>技術や表面的な流行は日々変化しても、
人間の本性は簡単には変わらない
>意図する顧客価値の正体は何なのか、
なぜその事業を人々が必要とするのか
3.悲観主義で論理を詰める
・打ち手をつなぐ因果論理を詰めるときは悲観主義で臨む
>決めたコンセプトには楽観主義で
>コンセプトについての確信が得られるまでは
ストーリーづくりを前に進めない
>「こうやれば、どうにかなるさ・・・」という楽観は注意
・シナジー(相乗効果)をテコにして・・・
⇒ どのように相乗効果を引き出すのかの論理
・「こういうことができますよ」
⇒ ユーザーが本当にお金を払ってでも
使うということとはほとんど無関係
>そもそもあらゆる戦略は利用可能な資源の制約を前提
・「どうにかなるさ」ではなくストーリーが
作動するかどうか、突き詰める
・ストーリーが緩くなるパターン
>特定の「飛び道具」、「必殺技」に寄りかかり過ぎ
>「ポータル戦略」がその例
・さまざまなサービスをぶら下げておけば、規模の経済と
範囲の経済を同時に実現できる!という必殺技??
▼なぜ多くの人々が「ポータル」として認識し、
訪問するようになるのか
▼訪問したとして、なぜさまざまなサービスに注意を払い、
アクセスするようになるのか
>何でもかんでもぶら下げても、顧客が実際に注ぐ注意は小さい
>そもそも何のための「ポータル」なのかがわかりにくくなる
▼アクセスしたところで、なぜそのサービスを実際に使うのか
▼サービスを使ったとして、ユーザーはお金を払うのか、
払うとしたらなぜか
▼・・・
>一撃で勝負がつくような「飛び道具」や「必殺技」がどこかにあるはずだ、
それをなんとか手に入れようという発想が間違い
>戦略ストーリーが意図する強みは、個別の打ち手の中ではない
>打ち手をつなげていく因果論理の一貫性こそ競争優位の源泉
4.物事が起きる順序にこだわる
・戦略ストーリーは打ち手の時間的展開に注目
>ビジネスモデルは戦略の空間的な配置形態に焦点
・時間軸に沿ったストーリー
>「AとBの連動する」だけでなく、時間的先行性
(「AがBに先行して起こる」)があること
>「いきなり丸ごと」式にやろうとすると
ストーリーの時間軸を見失う
5.過去から未来を構想する
・将来に向けた拡張性
>「これからどうなるのか」ばかりを考えていると、
目先の機会に目が向きがち
・「シルバーマーケット」・「エコビジネス」・・・
などの外的な成長機会は誰もが見えている
>戦略は長期的に考える
・従来の自社の戦略ストーリーの延長上に自然とつながる構想
>「これまで」と「これから」のフィットをよく考える
>既存のオペレーションとのフィットではなく、
構想する戦略ストーリーとのフィット
・戦略ストーリーとのフィット
>ストーリーとフィットしない打ち手には手を出さないという割り切り
>戦略ストーリーは一面では成長の制約要因にもなるという認識
>ストーリーは「窮屈さ」を感じるぐらいがちょうどよい
・スターバックスのメニューに軽食やアルコールがない
▼既存のオペレーションがそのまま使えると言う意味では、
軽食やアルコールも提供できるが、「第三の場所」という
ストーリーにフィットしない
・既存のオペレーションとのフィットではなく、
戦略ストーリーとのフィット
>目先の機会に食いつく前に、それがストーリーの延長上に
うまく乗っかるかどうか
6.失敗を避けようとしない
・事前に戦略ストーリーを持ち、組織でしっかり共有
>そのために、失敗を事前に明確に定義する
・ストーリーは失敗を避けるためにあるのではない
>ストーリーを実現していく過程では、「早く」「小さく」
「はっきりと」失敗すること
>共有されていなければ、失敗が「遅く」「大きく」
「あいまい」になる
7.「賢者の盲点」を衝く
・キラーパスの組み込み
>業界を知悉(ちしつ)している「賢い人」が聞けば
「なんてバカなことを・・・」というようなもの
>部分の非合理を全体で合理化に転化
・戦略=他社と違った良いことをする
>「良いこと」であれば、「違ったこと」になりにくい
>「良いこと」であれば、遅かれ早かれ他社もまねてくる
>「良いこと」であれば、自社の前に誰かが気づいてやってるかも
>「ベストプラクティスの戦略論」はあからさまに「良いこと」の集大成

・賢者の盲点を衝くには
>その時点で業界の内外で広く共有されている「信念」なり
「常識」を疑ってみるという姿勢
>一般に「良いこと」と信じられている常識の
「逆を行く」という思考
>小さな疑問をないがしろにしない
>「常識」が邪魔をして、ごく簡単な解決策があるのに、
放置されている不便や欠如があるかも
>解決策が賢者から見て「非合理」に映る
「なぜ」を考える 「なぜ」の積み重ね
・キラーパスは日本経済新聞の一面に出てこない
>メディアで飛び交う情報はほとんど頼りにならず
>「最新のベストプラクティス」的な話や出来合いの情報
8.競合他社に対してオープンに構える
・競合他社に対して防御的な構えをとらない
>唯我独尊の自前主義に凝り固まらないという意味の
「オープン化」ではない
>他社の資源を有効活用するという意味での
「オープン・イノベーション」という話ではない
>一貫性よりも特定の構成要素に強みを大きく依存していると
防御的にならざるをえない
・ストーリーこそが持続的な競争優位の源泉
>戦略が本当に優れたストーリーになっていれば、模倣の脅威は大きくない
・直接の模倣の対象となるのはストーリー全体ではなく、
個別の要素
▼個別をまねても非合理なキラーパスまでマネできないから自滅
・ストーリーの交互効果という
肝心の強みまで手に入れるのは相当に困難
>ストーリー全体はそう簡単にまねできない
9.抽象化で本質をつかむ
・背景の論理を考える
>どんな情報も、その背景にどういう論理があるのか、
whyを考える癖
>簡単にアクセスできる情報にはwhyが欠落
・どの企業(who)が、いつ(when)、どこで(where)、
何を(what)、どのように(how)やっているのか、
こうした個別の情報にはそれほど意味がない
・具体的事象の背後にある論理を汲み取って、抽象化する

10.思わず人に話したくなる話をする
・戦略は、自分自身が面白くて仕方ないものであること
>「嫌々考える」ものではない
・自分の稼ぎを極大化しようとする人々の集団では
戦略の実行はできない
>自分の仕事がストーリーのどこを担当しており、
他の人々の仕事とどのようにかみ合って、
成果とどのようにつながっているのか
>そうしたストーリー全体についての実感がなければ、
人々は戦略の実行にコミットできない
>「なぜ」についての全員の深い理解なくては
実行にかかわる人々のモチベーションは維持できない
◆戦略ストーリーにとって切実なもの
・面白いだけでは長続きしない
>面白さの主語は自分
>自分のためだけでは長続きしない
>長続きするために必要な「切実なもの」
・「自分以外の誰かのためになる」ということ
>直接的には顧客への価値の提供
>その向こう側にある「構え」「志」、あるいは「社会貢献」
【面白さ】 【切実さ】
以上、今週6回にわたってお送りした
「ストーリーとしての競争戦略」のまとめ。
いかがでしたか?
知的資産経営とかなり親和性があり、さらにドラッカーや
ランチェスター戦略の要素も随所に見られます。
出てくる事例は大手や有名企業ですが、そのストーリーは
参考になるものが多いと思います。
いきなりストーリーつくりをしていくのではなく、
現在の経営資源つまり知的資産が、それぞれどのように連鎖し、
そしてどのような交互効果をなしているのか。
それを確認していきながら、現在のストーリーを明確化する。
その明確化されたストーリーをもとに、将来のストーリーを
構築していく。
これが知的資産経営とも言えます。
そのためには、明確化するだけでなく適時検証していく。
なので、例えば価値創造ストーリーを明確化した
知的資産経営報告書を、つくって終わりではなく、
継続的に検証していく必要がありますね。
さまざまな「打ち手」「構成要素」がありますが、
これらは決算書には表れない目に見えない「知的資産」。
決算書にはせいぜい経費でしか表現されません。
単なるコストカッターであれば、人材にしろ販売管理費にしろ、
なぜそんなにコストを掛けているのかがわからなくなり、
重要な打ち手・構成要素、知的資産を失う可能性も秘めています。
決算書はいわば結果。
その結果に導く努力や工夫、ルーティンは何か。
これらをはっきりさせると、
・スムーズな事業承継
・自社を伝える営業ツール
・従業員とベクトルの一致や理念等の共有化
もできてきます。
また、金融機関にも自社のことを理解してもらいやすくなりますね。
中小企業憲章の6つ目にも、
「金融供与に当たっては、中小企業の「知的資産」を始めとする
事業力や経営者の資質を重視し、・・・」
とありますしね。
とまぁ、何かのお役に立てれば幸いです^^
今日も読んで頂きありがとうござます!!
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まだ1章を終えたところですが、非常に共感を覚えながら読んでいます。
漠と感じていたことが、しっかり言葉になっているという感じです。
素晴らしい本をご紹介いただき感謝です。
ありがとうございます。
ただ読むだけでなく、知的資産経営でいうところの何に当たるのかなどを考察しながら読むと理解が進みますね。