滋賀県大津市で行政書士をしてる5時半起きの中島です。
前の記事に続き第2回目。
問題40
取締役の選任および解任に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1.すべての株式会社は、定款において、取締役の資格として当該株式会社の株主である旨を定めることができる。
2.取締役の辞任により員数が欠けた場合、当該取締役は、直ちに取締役としての地位を失うのではなく、新たな取締役が就任するまでの聞は、引き続き取締役としての権利義務を有する。
3.解任された取締役であっても、正当な事由がなく解任された場合には、新たな取締役が就任するまでの聞は、当該取締役は引き続き取締役としての権利義務を有する。
4.利害関係人の申立により裁判所が一時取締役を選任した場合、当該一時取締役が株式会社の常務に属しない行為をするには、裁判所の許可が必要である。
5.取締役が法令もしくは定款に違反する行為をし、当該行為によって株式会社に著しい損害が生じるおそれがある場合には、株主は直ちに当該取締役の解任の訴えを提起することができる。
正解は、2です。
1.について
非公開会社についてはOKですが、公開会社では、取締役の資格として当該株式会社の株主である旨を定めることはできません。
2.3.について
会社法346条1項には、
「役員が欠けた場合又はこの法律若しくは定款で定めた役員の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した役員は、新たに選任された役員(次項の一時役員の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお役員としての権利義務を有する。」
とあります。
解任は入ってないんですね。
ちなみに、339条1項では、
「役員及び会計監査人は、いつでも、株主総会の決議によって解任することができる。」
また同条2項では、
「前項の規定により解任された者は、その解任について正当な理由がある場合を除き、株式会社に対し、解任によって生じた損害の賠償を請求することができる。」
とあります。
4.について
前項(346条1項)に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時役員の職務を行うべき者を選任することができる。(346条2項)
民事保全法56条に規定する仮処分命令により選任された取締役又は代表取締役の職務を代行する者は、仮処分命令に別段の定めがある場合を除き、株式会社の常務に属しない行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。(352条)
なので、問題分での「利害関係人の申立により裁判所が一時取締役を選任した」一時取締役ではなく、「民事保全法56条に規定する仮処分命令により選任された」が正しいんですね。
5.について
「株主は直ちに当該取締役の解任の訴えを提起することができる。」ではなく、「当該取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。」が正解です。(360条)
「株主による取締役の行為の差止め」といって、360条によれば、以下のとおり規定されています。
1項
6ヶ月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主は、取締役が株式会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該株式会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。
2項
非公開会社における前項の規定の適用については、同項中「6ヶ月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主」とあるのは、「株主」とする。
3項
監査役設置会社又は委員会設置会社における第1項の規定の適用については、同項中「著しい損害」とあるのは、「回復することができない損害」とする。
2回に分けてやりましたけど、
いかがです?
たまにはこんなブログもいいかなと^^
今日も読んで頂きありがとうござます!!
行政書士ブログランキングにも参加してます。
↓↓是非こちらをワンクリックして、応援の程お願い致します。
↑恵みのクリックをポチっと押して頂けたら元気が出ます
ベスト10位には、なかなか入れないようで^^;
人気ブログランキングにも参加してます。
↓↓よろしければ、こちらにもワンクリックして下さい。
↑現在、かなり落下してます(>_<)
ラベル:行政書士
必殺法律用語「正当な事由」…これの解釈って難しいですね。
よりシンプルに、見やすくしたつもりなんですけどね。。。^^;
「正当な事由」・・・
法律が要求する「正当な」は、厳格な場合が多いですね。
今回の「取締役の解任」についても、色々な判例があります。
いずれにせよ、裁判になっても勝てるだけの具体性、裏付ける根拠や証拠が必要ってことですね。