滋賀県大津市で行政書士をしてる5時半起きの中島です。
昨日知人から電話での問い合わせがありました。
内容は、
1.ダイニングバーを始めたい
2.融資を受けたい
3.他の知人とお金を出し合って共同でやりたい
と、大まかに言えばこの3点です。
1.に関しては、深夜もしたいということですので、
「飲食店営業」の「許可」のほかに
「飲食業深夜酒類提供飲食店営業」の「届出」が必要です。
2.に関しては、日本政策金融公庫(旧国金)の
「新創業融資制度」が」ありますし、
飲食店営業なので、新たに事業を始める方(開始して間もない方)向けの
「生活衛生貸付」もあります。
確実に融資されるものではないですが、有効な手段です。
と、2つはなんとかなりそうですが、問題は3.ですね。
共同経営はいいんですが、その方法です。
個人事業の延長的な感じでするのなら、かなりリスクがあります。
というのも、「個人事業」だから事業主は1人です。
共同事業主という概念はありません。
しかも個人事業だから、事業収入=個人事業主の収入で、
もう1人の共同者は従業員給与として経費(損金)にできますが、
事業主は自分の給与を経費にできません。
しかも、負債を負った場合、事業主の自己財産まで
責任が及びます。
また、共同の名義では事業所の賃借や口座開設もできず、
基本、個人事業主名義になります。
そうなった場合、日々の会計処理や責任関係など
非常に複雑になり、またリスクも大きいです。
最初は仲が良いからと安易な考えでも、お金が絡むと、
たとえば、「出資した金は、お前に貸した金やし返せ」
とか、万が一清算する場合は非常にモメる可能性が高いです。
その他、いろんなリスクはありますが、
3.の場合だと、2人で出資する形での会社にする方がいいですね。
それは株式会社でもいいでしょうし、
合同会社(LLC)でもいいでしょう。
これだと、出資額も明確ですし、
2人とも役員として報酬も経費にできますし。
どちらにも経営権があります。
また、負債がある場合でも、
出資額の限度までという有限責任ですしね。
(もっとも、担保として個人が保証人になるでしょうけど)
1人が役員を抜ける場合など問題もありますが、
他人同士の2人で出資し合う場合は、会社形態のほうがいいですね。
どんなに仲のいい間柄でも、
事業としてお金や責任が絡むと、必ずモメますしね。
始めるにあたっては、
なかなかそんなことは考えてないものなので、
その辺のリスクをきっちり伝えるつもりです。
ラベル:行政書士